日本臨床疫学会第1回年次学術大会
日本臨床疫学会第1回年次学術大会で発表しました。
演題:急性期脳梗塞における脳保護薬エダラボンの神経症候改善効果の検討
要旨:日本では急性期脳梗塞の治療において脳保護薬エダラボンが約半数近くで使用されている。急性期脳卒中を扱う中核病院94施設の大規模データベース(日本脳卒中データバンク)を用いて脳梗塞病型別(アテローム血栓性梗塞、心原性脳塞栓、ラクナ梗塞、その他)にエダラボンの神経症候改善効果を検証。対象者は2001年6月〜2013年7月までに入院し、年齢18歳以上、発症14日以内の脳梗塞病型分類が確定した急性期脳梗塞61,048名。エダラボン投与の有無で群分けし、アウトカムである入院中の神経症候改善効果(ΔNIHSS = 退院時NIHSS − 入院時NIHSS)を比較。年齢、性別、血圧、入院時NIHSS、脳梗塞サイズ、併存症、併用薬などを交絡として多変量線形回帰モデル、傾向スコア逆数重み法で解析。いずれの脳梗塞病型においてもエダラボン投与群は非投与群と比較して統計学的に有意な神経症候改善効果を認めるが、その効果はΔNIHSS1ポイント未満であり限定的であることが示唆された。
主催 | 日本臨床疫学会 |
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日程 | 2017/10/1 |
場所 | 東京大学 |
メンバー | 小林 奏 |