業績
2019/2/16

日本内科学会第216回東北地方会一般演題

下谷陽子医師が日本内科学会第216回東北地方会の一般演題で発表をしました。

演題:有痛性の皮疹と咽頭痛を伴う発熱で 来院した女性の1例

要旨:【症例】気管支喘息の既往のある48歳女性【病歴】平成30年7月、初診6日前より悪寒、頭痛、発熱があり近医Aで加療していたが四肢の有痛性の皮疹や咽頭痛が出現し、さらに近医Bにも受診して検査を行ったが原因不明であり改善がないため当科に紹介となり独歩で受診した。急性発症の発熱に全身症状を伴う経過からはウイルス感染症を想起し、咽頭発赤と軟口蓋に水疱、びらんを認めたことと時期を考慮し、成人には稀ではあるがヘルパンギーナを鑑別にあげコクサッキーウイルス抗体検査(NT法)を提出したところA2型の抗体価が1024倍と著明に上昇していた。皮疹は結節性紅斑と考えたが、皮膚生検も矛盾しない所見で、血液培養や溶連菌検査、インターフェロンγ遊離試験も陰性でACEの上昇もないことから、ウイルス感染に伴う症状と判断した。以上よりコクサッキーウイルスA2型によるヘルパンギーナ、結節性紅斑と診断し対症療法を行って軽快した。【考察】咽頭痛、皮疹を伴う発熱の鑑別は多岐にわたるが、発症様式、症状経過、身体所見からヘルパンギーナを鑑別にあげ、抗体検査を行うことで、複数の医療機関で原因不明とされていた病態を診断することができた。ヘルパンギーナは咽頭所見が特徴的な小児に夏に流行する疾患であるが、成人でも発生し小児より多彩な症状を呈すると言われている。詳細な病歴聴取、身体診察が診断に結びついた一例であるため報告する。

主催 日本内科学会
メンバー 下谷陽子
日程 2019/2/16
場所 仙台国際センター会議棟